November 19, 2011. Written in Guilin, China.
お姉さんと見た天国。
今から二週間ちょっと前、信陽という無名の中国の町に数日滞在したが、そこで出会った中国人女性に薦められた場所があった。彼女曰く、そこは山の上にできた大都会で、夜景を下から見上げるとまるで天国のような眺めらしい。重慶という名の町だ。
その数日後、西安の宿で日本人のN兄貴に出会うと、彼にそのことを話した。
「いいね、天国へ行こう!」と彼が言った。
兄貴と二人の天国か‥‥、いい響きだな。そんなタイトルのブログを書こう。
だが、残念ながらそんなブログは書けずじまいだった。
では、このブログが「お姉さんと見た天国」へと変更になったわけを話そう。N兄貴を含め、西安の宿で出会ったグループでしばらく旅したわけだが、重慶へ行く少し前にみんなばらばらになった。
N兄貴はビザの残日数が少なすぎるため、残念ながら一緒に天国へいけなくなった。
「一緒に天国へいけなくてごめんね」そう言ってから、彼はラオスへと旅立った。
そして、残ったのはKお姉さんと僕二人だけだったわけだ。
だが、兄貴と一緒に来た天国なのか、お姉さんと一緒に来た天国なのかが、実は問題などではなかった。なぜかというと、重慶は天国でも何でもなかったからだ。そこは汚染された霧に覆われた汚い都会だったのだ。確かに山の上にできてはいるが、天国なんてとんでもない!
それでも二日間をかけてKお姉さんと、天国らしきものを見いだそうとした。それは簡単ではなかった。美食街の料理は大して美味しくなかったし、旧地区と言われた場所は古くもなんともなく、ただの観光地だった。それから、霧が酷すぎて夜景なんて楽しめなかったし、ケーブルカーも本の数分で終わり。
それでも天国を見つけ出すことにちゃんと成功した。とても小さな天国だったが‥‥。何かというと、宿から歩いて数分の所にある屋台の炭火焼がものすごくうまく、まさに天国だったわけだ! 野菜や肉魚の串がたくさん並んでおり、自分で好きなものを選んで、とりあえずは焼いてもらう。焼けてくると、野菜や肉魚が串から取られ、細かく切られてから混ぜられて全部鍋に入れられ、いろいろと香辛料を加えられて再度焼かれる。究極の適当料理だが、信じられないくらいうまいんだ、これが!
「ここが天国だったね」と二人で言い合い、必死に食べていた。
二度目に来ると、野菜や肉魚を代えて、何が何と合うのかをよく考えて最高のコンビネーションを作ろうとした。だが、ただ2度通っただけでは通になれず、一週間通って少しずつ完璧にしていきたいところだった。
ところが、そうはいかず、天国に二日滞在したのち、僕らを桂林へと導くはずの20時間列車に乗らなければならなかった。さらばよ、天国!またいつか食いにいってやるぞ!
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