August 25, 2011. Written in Saitama
不思議な世界
世界旅行出発二日前の火曜日に、僕の恩人であるYさんに会ってきた。
2002年7月、まだ15歳の僕が初めて日本の地に足を踏んだ。5週間Yさんの家で日本の生活を経験した。あの頃の僕は今よりも更に大雑把で、財布を亡くしたりとか、様々な忘れ物をしたりとか、電車に乗り間違えて夜遅くに帰ってきたりとか、車の中でコンビニのざるそばを丸ごとこぼしたりとか、信じられないくらいたくさんの迷惑をかけたことは間違いない。普通の人が50年生きても、そこまで迷惑をかけることはないのかもしれない。
だが、短い間の中で、とても優しく接してもらい、長い間夢見てきた日本での生活が実現した。これから一生を日本で過ごそうと決心したことは、間違いなくYさんのおかげと言っていいだろう。そして、今ではYさん一家のことを、家族のように思っている。
そのYさんと今回会ったのが、K駅前の居酒屋だった。K市は、日本での最初の5週間をYさんの元で過ごした町で、思い出のたくさんある場所だ。当時、到着したその夜、K駅前の居酒屋で食事したこともよく覚えている。あのとき、K市はとても不思議な世界のように写っていた。何もかもが新鮮で、謎に満ちていた。
あれから9年が立った今、K市はもう不思議な世界に見えない。それは慣れ親しんだ、どこか懐かしい匂いのする場所に切り替わっている。あの当時の自分の目で、もう一度不思議なK市を見ようとしても見えない。
だが、唯一変わらないのはYさんに対する思いである。数年間日本を離れることになった今、スタート地点に戻ってK市でYさんに会えたことに感謝している。
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