October 12, 2011. Written in Dengfeng, China.
洛陽にて孤独を満喫
洛陽での二日目は霧に覆われた一日だった。好きになれなかった宿から脱走して、洛陽インターナショナルユースホステルに移動した。前の宿よりは3分の1安いし、100倍楽しいところだ。
洛陽の街を歩いていても外国人はほとんど見かけないが、このホステルにはたくさんいる。周りに誰も話せる人がいなくて少し寂しい思いをしていたが、ここなら話し相手には困らなそうだ。ところが、なぜか独りで行動する気分だったので、誰も誘わずに龍門石窟に出かけた。
龍門石窟は洛陽の名観光地で、唐時代に残された遺跡である。入場料は120元(1350円)もかかり、中国にしては異常に高いが、それだけの価値はあり、これまでに見てきたものの中でもこの龍門石窟に勝る光景があるかどうかがわからないほどだ。石窟と言っても、中に入れるわけではなく、巨大な岩に様々な多きさの穴が掘られており、それらの中にはいろんな形をした仏像が立っている。特に遠くからであれば、絶妙な眺めであることは間違いない。よくもこんなのを作ったな、と思わず呟いてしまう。だが、それだけではない。ピラミッドがそうであるように、龍門石窟にも不思議な空気が漂っており、謎に満ちた古来の世界を少しだけ覗けた気になる。霧がまるでその雰囲気を強調するためにあるかのようだった。
中国であるだけに、やはり仏教の匂い(仏像だから当然)が濃く、武術との繋がりも感じられる場所だった。そして、一番の見所はなんと言っても、石窟の中央あたりに位置している巨大な大仏であり、それを囲んでいるもう少し小さな(しかしそれでも十分に大きな)大仏たちである。鎌倉や奈良の大仏であれば、どん、と一つだけ大仏が重々しく立っているわけだが、龍門石窟では大仏があらゆるところにあり、仏教に囲まれているような気分になる。
これらを全部一人で見物していても、感動は薄れないどころか、より一層感動している自分がいた。一人だからこそ、この独特な雰囲気が味わえるのかもしれない。誰かと一緒に来ていれば、その人の存在によって現実の世界に引き戻されたことだろう。
龍門石窟を2時間ほど見物してから、白馬寺に移動した。白馬寺とは、中国初の仏教の地として有名な場所だ。私自身は無宗教だが、空手をやっている身分としても一度訪れてるみるべきだった。残念ながら着くのが少し遅くなったが、ぎりぎり中に入らせてもらった。客はもう数人しか残っておらず、たくさんの坊さんが掃き掃除をやっていた。だが、その光景が見れたのもまた貴重な体験だった、と言えなくもない。
帰りのバスの中で、旅らしい一日だったなという実感が湧いた。出発前はこんなイメージを思い描いていた。独りで世界を彷徨い、いろんなものを見、いろんなものを感じる。人との出会いももちろん大切だが、たまにはこうして孤独を楽しむのも良い。
1 件のコメント:
穴の中に立っている仏像の写真はないのでしょうか?是非見てみたいです。
そういった神聖な場所はひとりでゆっくりみるのもいいみたいですね:)
シェンムー3の舞台の洞窟とはこのことですか?
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