2012年2月1日水曜日

愉快だね、まったく

January 31, 2011. Written in Taipei, Taiwan.

愉快だね、まったく。

ライスちゃんという元気なスタッフはベジタリアンらしい。何でベジタリアンなのかと聞くと、動物が可哀想だから、と素直に答える彼女。
「じゃあ、この牛肉を食べなかったら豚も焼くって言われたら?」なんて意地悪な質問に対してはまじめに答えてくれない。

彼女が洗濯物をしに出かけた。
「以前ここに泊まってたフランス人が遊びに来るから、ドアを開けてやってねえ」と言って、彼女は僕に手を振った。
「はーあい!」

それから間もなく、フランス人が来た。
「ライスちゃんは洗濯物をしに行ったので、ここで待つようにと言ってました」
彼は椅子に腰掛け、私に出身地を聞いた。
「オランダだけどずっと日本に住んでますよ」と答えると、彼はとても流暢な日本語で応じた。
それからは日本語で会話した。その光景をなんとなく眺めていたカナダ人女性が思わず吹き飛ばした。
「日本語で会話する白人同士なんて!面白いわ!」と。
このフランス人のRさんは、今は台湾で留学していて、中国語を勉強しているらしい。だが、留学も後一ヶ月で、今度は日本で仕事を探すつもりらしい。あれだけ日本語が話せれば、難なく見つかると思う。

ライスちゃんが宿主の女性Vさんと一緒に戻ってきた。
「みんなで食事にいこーいこー!」
もう、愉快なんだから、まったく。
日本語ぺらぺらのフランス人、笑ったカナダ人女性、そしてその他少々、コーラくんだけをホステルに残して出かけた。

ライスのために、セルフサービスのベジタリアン料理の店に行った。私は中国系のオランダ人の隣に座った。彼もまた興味深い人物だった。9歳までを中国の広州で過ごし、その後オランダのごく普通の家族で養子入りした。その後、二度と中国へも行かず、中国語とも触れずに過ごした彼は完全なオランダ人になり、子どものときに流暢にしゃべったはずの中国語を忘れた。大人になってから、自分のルーツを探しに中国放浪の旅をした。家族や小学校の同級生にも再会した。だが、本当に中国語を忘れた彼は彼らと会話するすべもなかった。その後、台湾に短期留学をし、失われた自分の一部を取り戻そうとしている。

食後、宿に戻ってくるっと、コーラくんがわれわれを待ちわびており、うれしそうに抱きついてきた。まったく、こんなにいいやつはなかなかいないぞ!愉快だね、まったく!
コーラにライスに伊達メガネ

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