2011年9月21日水曜日

韓国の試合

 September 20, 2011. Written in Seoul, South Korea. 

韓国の試合 

釜山でお世話になった道場の門下生が大会のためにソウルにやってきた。そんな彼らが僕を誘ってくれたので応援に行ってきた。もうあれから3週間くらい経つのかと思うと早いものだ。あれは韓国について間もないときだった。まだわけのわからない異邦の国において、ユン先生をはじめ、門下生のみなさんがとても良くしてくれた。

ソウル郊外のとある区民体育館に着くと、釜山の門下生一同がすぐに声をかけてくれた。もう会えない人たちだと思っていただけに、再会できた感動が大きかった。今回初めて会った人も数人いた。その中から、試合に出た二人といろいろな話をした。二人は少し日本語が話せて、ときには言葉を探しながら一生懸命に語ってくれた。
  釜山道場からの出場者は全部で4人だったが、一人が4位入賞、もう3人は一回戦・二回戦敗退だった。勝てなかった門下生に対して、ユン先生は苦笑しながら腹立たしそうにしていた。それだけ、弟子に対する期待が大きかったのだろう。僕自身もまるで自分と同じ道場の選手を応援している気分で、彼らが勝てば素直に喜び、負ければ悔しい気持ちになった。

一応とある組織の全韓国大会だったようだが、レベルは日本の交流試合並みだったと思う。だが、元気な若者がたくさんいて、今の日本の極真にはないような、将来に対する期待が感じられた。それに、強い選手がいないわけではなかった。特に目立ったのは、バランスの取れた落ち着いた組手をする選手だった。身体は決して大きくないし、武器も特にこれといったものはないが、クレバーな組手に思わず魅了された。うまい体さばきで相手の技を外し、相手の弱点を探し出してはそこを徹底的に攻め込む。僕の予想通り、その選手が優勝した。


それはそうと、大会が終了すると、釜山道場の門下生と一緒に体育館を出、一緒に駅に向かった。歩きながら携帯電話でユン先生の試合動画を見せてもらい、僕は代わりに自分の先生の試合を見せた。電車の中ではユン先生と組手について話した。3週間前、釜山で一緒に組手できたことが、お互いにとても良い経験となったようだった。また次に手合わせできる日が楽しみだ、とも話し合った。

















彼らがまたバスで釜山に帰るので、その駅まで見送ると、最後にみんなで食事することになった。
「ラインくんはもうすぐ中国へ行くから、中華料理にしょう!」と彼らが言ってくれた。ビールを少し飲みながら、楽しい食事会が続いた。今後いつ彼らに会えるだろう、と思いながら笑顔で彼らの食べっぷりを眺めた。最後は食事代までおごってもらって、申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、本当に素敵な人たちに出会ったものだな、と改めて思った。僕の旅の始まりを象徴するユン先生と釜山道場の門下生をこれからもずっと忘れることはないだろう!

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